失敗した日本人オーナーから学ぶグアムでのレストラン経営<その2> ~初めての海外起業グアム編 第7回 ~

移住/就労/起業

前回の続きで、失敗例からグアムでのレストランの開業について考えていきます。いずれも少し前の話ですが、今でも通じる話ですので、参考にしていただければ幸いです。

(前回のお話はこちら)

日本で高級日本料理の老舗がグアムでコケた理由

タモンのホテルロードのあるビルに和食レストランがオープンしました。オーナーは日本でもお店を持つ、本格和食のお店。お洒落な内装が素晴らしく、早速ランチに行ったのですが・・・出てきた料理は見た目も上品で、とても美味しかったのですが、量が少なかったです。食べ終わって、一緒にいた女性も「え、これで終わり」という感じでした。これはNGです。私たちは3時にラーメンを食べに行くことになりました。

いろいろな人がマネージャーにアドバイスしていたそうですが、「これがうちのやり方」と聞く耳を持たなかったそうです。そして数ヶ月後の店内は数名の観光客がいるだけの閑散とした状態。マネージャーさんはすっかり痩せてしまい、「皆さんのいうようにこれからは量を増やして頑張ります」。しかし、すでに時遅し、「あそこはだめ」というレッテルを貼られたら狭いグアムではアウト、1年後には撤退していました。すごくいい内装でしたしお金もかけたと思いますが・・・

教訓:

・事前に地元の事情を調べて、それにあった対応をするべき

・アドバイスを全て受け入れる必要はないが、少しは耳を傾けるべき

物件選びに失敗した和食レストラン

ホテルロードにあった居酒屋スタイルの和食レストランです。あるお店で経験を積んで独立して開業しました。もともと和食レストランの居抜き物件で条件も良く、地元の人で賑わいました。しかしある日、突然立ち退きを命じられたそうです。ビルのオーナーも別にレストランを持っていて、ここの成功が妬ましかったのかもしれません。理不尽でも従わざるを得ません。

数ヶ月の猶予をもらったものの、この時期はあまりいいレストラン物件がなく、オーナーも追い込まれていきます。そして契約したのはあるホテル内の物件、家賃が高い割には建物も老朽化していて、制約も多いです。居抜きですぐに営業できるかと思いきや、当局の指摘でいろいろチェックされ、なかなかオープンできず。やっとの思いでオープンしたものの、以前のようにお客さんは入りません。家賃、光熱費なども以前より高かったそうで、数年頑張りましたがいつの間にか閉まっていました。

教訓:ローカル向けレストランはタモンにこだわる必要なし

   家賃や光熱費は毎月払う最も負担の大きい経費の1つ、慎重になるべき



最後まで何をしたいかよくわからなかったお店

日本でジュエリー関係のビジネスをしているという人がレストランを開業することになりました。何故かグアムではそれほどポピュラーではないハンバーグの専門店(グアムの人が好きなのはバーベキューやステーキです)、看板には日本人ですら理解できない意味不明な店名が。何のお店だか全くわかりませんし、何をしたいのかさっぱりわかりませんでした。結局一度もいきませんでした。そしてあっという間に潰れていました。一体何だったのでしょう???

教訓:グアムだったら何でも成功する、とでも思ったのでしょうか・・・ノリで始めてもやっぱりダメです。そしてネーミングセンスも大事なのです。

就労ビザは誰のため、何のためかわからず従業員がいなくなってしまったお店

タモンにオープンしたあるお好み焼きレストランの話です。「グアムでお好み焼きとたこ焼きのセットなんて流行らないよ」というマイナスの前評判を覆し、まずまずの集客でした。会社の経営はビザがなくてもできますが、やはり現地に長期滞在してお店を見る責任者はビザが必要です。ビザは一度に何人も同時に取得できないので、計画を立てて優先順位をつけて申請しなくてはなりません。

しかし、何を勘違いしてか、このお店は日本にいるオーナーが先にビザを取ってしまいました。必要なのは現地スタッフです。パスポートに押されるビザのスタンプを、何かのステータスだと勘違いしていたのかもしれません。それは労働許可証であり、投資をした勲章でもオーナーの証明でもありません。そのレストランで働く日本からのスタッフはなかなかビザが取れず、不法就労の取り締まりを恐れてビクビクしながら働いていたようです。そして耐えきれずに結局帰ってしまい、現地ローカルスタッフだけではお店をオペレーションすることができず、結局閉店しました。健闘していただけに、日本サイドのオーナーの判断ミスが悔やまれる一件でした。

教訓:ビザは持っていてかっこいいものでも人に自慢するものでもありません。必要な人に取得してもらわないと意味はありません。



日本の経営サイドとの連携ミスで沈没した居酒屋

日本の経営陣がお金を出してグアムにお店をオープンするのはよくある話です。しかし日本サイドと現地の密な関係は不可欠です。以前流行っていた居酒屋レストランは、日本のオーナーが出資してオープンしました。最初の頃はオーナーもよくグアムに来ていました。そして満員の店内を見て喜びました。そのうちに「次は南米でビジネスを考えている」と、リサーチを始めました。なかなかグアムに来なくなりました。日本から赴任していた現地の店長がお店を任されていましたが、運転資金に困るようになっても、日本サイドからの支援はありません。温和だった店長の顔もだんだん厳しくなってきました。料理の質もスタッフのサービスも低下し始めました。聞いた話では、店長は給料ももらっていなくて、売上金から生活費を抜いていたそうです。そしてある日突然姿を消しました。

現地スタッフは、日本からのサポートがなければ孤立してしまいます。連携は重要なポイントです。

教訓:経営は現地任せでは問題が起こる可能性は高い。運転資金は経営者が責任を持つ

今回は失敗例をご紹介しました。失敗した理由はおわかりいただけたと思います。グアムで開業することは簡単ではありませんが、特別難しいわけでもありません。日本でも海外でもしっかり準備して、真剣にやっていけば成功をつかみとることができます。頑張ってください!

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